DTMなどの電子音楽と、WEB制作関連について
私たちのような、いわゆる「昔ながらのホームページ制作会社」に身を置いてきた人間からすると、ここ数年のノーコードブームは、驚きというより「いよいよ来たか」という感覚に近いものがあります。HTMLとCSSを手打ちし、テーブルレイアウトからスタートし、Flash全盛期を経て、WordPressが普及していく流れを見てきた世代にとって、制作の手法が変わること自体は、今に始まった話ではありません。
実際、技術は常に簡略化されてきました。Dreamweaverが出たときも、CMSが広まったときも、「誰でも作れる時代になる」と言われました。その延長線上に、今のノーコードツールがあります。ですから、ノーコードそのものを否定する気はありません。むしろ、制作工程の一部として見れば、非常によくできた仕組みだと思います。
ただし、制作会社の立場から見て、明らかに変わってしまったものがあります。それは「ホームページは作れば何とかなる」という認識が、以前よりも強くなってしまったことです。昔は、少なくとも「プロに頼まなければ作れないもの」でした。だからこそ、ヒアリングがあり、要件定義があり、構成案があり、その上でデザインやコーディングが進んでいました。工程として当たり前だったそれらが、ノーコードの普及によって、一気に省略されるようになりました。
制作会社として相談を受ける中で増えているのが、「自分たちで作ってみたが、全く反応がない」というケースです。
しかも、話を聞くと、決して手を抜いているわけではない。時間もかけているし、テンプレートも吟味している。文章もそれなりに考えて書いている。それでも成果が出ない。その原因を探っていくと、ほぼ例外なく「最初に設計されていない」という一点に行き着きます。
しかも、話を聞くと、決して手を抜いているわけではない。時間もかけているし、テンプレートも吟味している。文章もそれなりに考えて書いている。それでも成果が出ない。その原因を探っていくと、ほぼ例外なく「最初に設計されていない」という一点に行き着きます。
昔の制作会社の感覚で言えば、これは非常に分かりやすい話です。ホームページ制作は、画面を作る作業ではありません。誰に向けたサイトなのか、何を目的とするのか、どのページが入口になり、どこで問い合わせに至るのか。そうした流れを整理するところから始まる仕事です。
ところがノーコードでは、その「整理する工程」を飛ばして、いきなり画面を触れてしまう。これが最大の落とし穴です。
ところがノーコードでは、その「整理する工程」を飛ばして、いきなり画面を触れてしまう。これが最大の落とし穴です。
特に感じるのは、目的の曖昧さです。昔であれば、企業サイトなら企業サイトなりに、会社案内としての役割、営業資料としての役割、採用ツールとしての役割を分けて考えていました。
しかしノーコードで作られたサイトの多くは、それらがすべて混在しています。トップページに会社紹介、サービス説明、採用情報、代表メッセージが並び、結局何を一番伝えたいのか分からない構成になっている。制作会社から見ると、「これは設計段階で整理すべき話だ」と感じる場面が非常に多いのです。
しかしノーコードで作られたサイトの多くは、それらがすべて混在しています。トップページに会社紹介、サービス説明、採用情報、代表メッセージが並び、結局何を一番伝えたいのか分からない構成になっている。制作会社から見ると、「これは設計段階で整理すべき話だ」と感じる場面が非常に多いのです。
構造の問題も同様です。HTMLやCSSを理解してきた世代からすると、見出し構造やページ階層が曖昧なサイトは、どうしても気になります。ノーコードでは見た目を優先して編集できるため、見出しタグが装飾として使われたり、ページの主題がぼやけたりしがちです。検索エンジンの評価以前に、人が読んでも理解しづらい構造になっていることが少なくありません。
また、運用という観点が抜け落ちているケースも多く見受けられます。昔の制作会社では、「公開後にどう更新していくか」「誰が管理するのか」という話を必ずしていました。
ところがノーコードで作られたサイトの多くは、更新前提で設計されていません。結果として、最初に作った状態のまま何年も放置され、情報が古くなり、信頼性を落としてしまう。これは制作技術の問題ではなく、考え方の問題です。
ところがノーコードで作られたサイトの多くは、更新前提で設計されていません。結果として、最初に作った状態のまま何年も放置され、情報が古くなり、信頼性を落としてしまう。これは制作技術の問題ではなく、考え方の問題です。
制作会社として正直に言えば、「やはりプロに頼んだ方がいい」と言いたくなる場面は多々あります。ただし、それは仕事を取りたいからではありません。
一度でも本気でサイトを成果につなげようと考えたことのある制作側であれば、設計と戦略の重要性を痛いほど知っているからです。画面を組む作業は簡単になっても、考える作業は簡単になっていません。
一度でも本気でサイトを成果につなげようと考えたことのある制作側であれば、設計と戦略の重要性を痛いほど知っているからです。画面を組む作業は簡単になっても、考える作業は簡単になっていません。
ノーコードの普及によって、「ホームページ制作の価値が下がった」と感じる同業者もいるでしょう。しかし、長くやってきた立場から言えば、価値が下がったのは作業の部分だけです。むしろ、ヒアリング、整理、設計、方向性の提示といった部分の重要性は、以前より高まっています。そこに価値を見いだせるかどうかが、制作会社として生き残れるかどうかの分かれ目になっています。
成果が出ないノーコードサイトを見たとき、制作会社の人間は「やっぱりな」と思うと同時に、「まだ途中だ」とも感じます。設計を見直し、構造を整理し、目的を明確にすれば、十分に立て直せるケースが多いからです。昔ながらの制作会社が得意としてきたのは、まさにその部分です。
ノーコードの時代だからこそ、ホームページ制作の本質が問われています。作ること自体が簡単になった今、何を考え、どう設計し、どう成果につなげるか。その部分を語れる制作会社であり続けることが、これからの時代に求められているのではないでしょうか。
ノーコードホームページ制作の塩漬け化問題 成果に繋がらない90%の人が見落とす『最初の設計図』
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